
先月妻が新型コロナワクチンの2回目を摂取しました。
それから1ヶ月がたった現在、まだ摂取部が痛いということで摂取したクリニックに相談し受診することになりました。
受診した結果、
「注射したときに神経に当たって傷がついたんでしょう。ロキソニンと湿布を出しておきます。」
と言われたみたいです。
薬をもらうときは自分が妊婦だということをちゃんと申告するように言っていたのでロキソニンは中止になりましたが。
最終的に湿布だけが処方されましたが、調べてみると湿布でさえ妊婦さんには微妙な感じなんですよね。
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妊娠後期で使える湿布薬はほとんどない
女性薬剤師の方が「妊娠後期だと使える湿布はほとんどないんですよ」
と言われてびっくりしました。
調べると、現在薬局にある湿布のほとんどは妊娠後期で禁忌なんですね。
お腹の中に赤ちゃんがいるだけでもしんどいことが多いのに、
少し楽になることも許されないのは結構辛いですね。
ではまず、湿布を始めとした1.痛み止めの仕組みを説明して、
2.痛み止めを使って赤ちゃんに起こることを説明して、
3.それが痛み止めとどう関わってくるか説明していきます。
湿布を貼るとどうなるのか
痛み止めの多くはNSAIDsと呼ばれる種類の痛み止めです。
NSAIDsは炎症や発熱作用のあるプロスタグランジンという物質を「作らない」ようにさせる薬です。
プロスタグランジンが作られないということは、痛みを感じないということになります。
プロスタグランジンってなんよ?って感じですが、
これは痛みとか発熱作用をする物質です。(他にも沢山作用はありますが、今回はこれです)
湿布を貼ったりNSAIDsの痛み止めを飲むとプロスタグランジン濃度が下がるので
痛みが感じなくなるというメカニズムになっています。
痛み止めで赤ちゃんはどうなるのか
お母さんが痛み止めを使って、その成分が赤ちゃんの身体に入ると
「胎児動脈管収縮」を起こしてしまいます。
なんぞ?って感じですよね。
まず、赤ちゃんの動脈が収縮しちゃったら血液が流れなくなって良くない
というのはなんとなくわかるんじゃあないかと思います。
次に、どこの血管が収縮するのかというと
「動脈管」という赤ちゃんにだけある血管です。
どこにあって何をしているかというと、肺動脈と大動脈のあいだにあってその2つをつないでいます。

なぜそんな事をしているかというと、赤ちゃんが羊水の中に居るからです。
普通人間の血液は、心臓→肺→心臓→血管→全身→心臓→肺→・・・・・
という流れを辿ります。
ですが、赤ちゃんは羊水のなか。肺呼吸をしていませんよね。
なので血液が心臓から肺に行きにくくなっています。
でも、心臓から肺に行きにくかったら心臓に血液が溜まって排出できなくなりますよね。
こうなると心不全になってしまいます。
なので「動脈管」という赤ちゃん特別な血管を通って血液が全身にめぐるように逃しています。
胎盤→全身→心臓→全身→胎盤→・・・・という流れでしょうか。
いつ動脈管はなくなるのか
ではいつ動脈管が収縮するかというと、出産してからです。
赤ちゃんがお腹から出てくると肺に血液が流れるようになり「動脈管」は収縮します。
動脈管が収縮するには「プロスタグランジン」濃度が低くなるのが影響していると言われています。
とうとうここでプロスタグランジンが出てきました。
痛み止めを飲むと濃度が下がる物質ですね。
[temp id=2]まとめ
痛み止めと妊婦さんの関係をまとめると、
- 痛み止めはプロスタグランジンという痛みを感じさせる物質を少なくする。
- 妊婦さんが使うと赤ちゃんの身体でもプロスタグランジンが少なくなる。
- 赤ちゃんはプロスタグランジンが少なると動脈管が収縮する。
- 動脈管が収縮すると肺に行けない血液が心臓で溜まって心不全になる。
ということです。
これは調べながら僕自身も「へぇ〜」と思ってしまいました笑
色々調べていくと、最近はカロナール(アセトアミノフェン)も服用を続けると胎児に悪影響
っていう論文も出ているみたいで、いよいよ本当に気合で我慢するしか無いんだなと思いました。
参考資料:
- https://jspccs.jp/wp-content/uploads/j1901_046.pdf
- http://www.natureasia.com/ja-jp/clinical/research/13825
- https://jspccs.jp/wp-content/uploads/j1901_046.pdf
- https://www.ymghp.jp/syusanki/wp-content/uploads/2021/05/dayori2021.05.docx.pdf