
薬剤師という仕事をし始めて5年、未だに少しジェネリック医薬品への変更について
少し迷う部分があるので改めてイチから勉強してみようと思い
変更するときに何が良くて、何がダメかまとめてみました。
Contents
変更するときの前提条件
- 患者の同意
- 処方箋の「変更不可欄」へのチェックがついていない
大まかにはこの2つが前提。
この条件のもとで
- 先発→後発
- 後発→後発
- 一般名→先発
- 一般名→後発
の変更調剤を行う。
後発品(ジェネリック医薬品)への変更の基本的な考え方
なぜ後発品へ変更するかと言うと「医療費を安くしたい」から。
なので基本的には高くなってはいけない。
また、内服薬について後発品への変更で良いところは「同じような剤形なら変更可」ということ。
例えば、
- 錠剤→カプセル
- 顆粒剤→細粒
- シロップ剤→液剤
粒から粒、粉から粉、液から液、といった感じでしょうか。これがOKです。
ただ例外もあります。
内服薬の後発品への変更の例外剤形(ドライシロップ剤と錠剤の粉砕)
それはドライシロップ剤と錠剤の粉砕についてです。
ドライシロップ剤は粉のままでも飲めるし、水に溶かすとシロップのような感じで飲めます。
なので内服用固形剤として、
- シロップ剤→ドライシロップ剤
- ドライシロップ剤→液剤
という変更も可能です。
また、錠剤の粉砕するということは、
「粒は飲めないから粉にしてほしい」
ということですね。
なので粉砕の指示がある場合で粉の剤形がある薬は変更OKということになります。
次に後発品への変更の仕方です。
変更条件
今回私が色々見ていて考えたのは、滝です。

滝の上に先発品があり、滝底・滝壺に後発品があるイメージです。
上から下への変更はOKだけど、下から上へは行けないので変更は無理という考え方です。
「じゃあ先発→先発は?」となると思いますが、
そもそも安くしたいと言うのがあるのでNGということです。
先発をつつくときは全て医師を通さないとNGです。
先発品から後発品への変更
先発→後発への変更で基本的な変更の仕方として
- リピトール錠10mg → アトルバスタチン錠10mg「日医工」
というような「同剤形」「同規格」の後発品への変更があります。
これが基本です。
これの応用編として
- メインテート錠5mg 1日1錠 → ビソプロロール錠2.5mg「日医工」 1日2錠
- メインテート錠2.5mg 1日0.5錠 → ビソプロロール錠0.625mg「サワイ」 1日1錠
という変更の仕方があります。
どちらも薬の規格は変わっていますが飲む成分量としては同じですね。
この場合も変更前の薬剤料と変更後の薬剤料が高くなってはNG。[temp id=2]
後発品から後発品への変更
- バルサルタン錠80mg「ファイザー」 → バルサルタン錠80mg「サンド」
という変更。
このときメーカー変更後の薬剤料が高くなってもOKです。
一般名処方の調剤
一般名処方の場合、先発品で調剤しても後発品で調剤してもOKです。
一般名処方とは
- [般]オルメサルタン錠20mg
という処方のときですね。
一般名処方のとき注意するべきことが2つあります。それは
- 先発への調剤時の剤形変更について
- 先発を調剤した理由
です。
まず、先発を調剤するとき剤形変更するのはNGです。
❌[般]アムロジピン錠10mg → アムロジンOD錠10mg
こういう調剤はNGで、
⭕[般]ニフェジピンカプセル5mg → ニフェジピン錠5mg「MEEK」
こういう調剤はOKということです。
次に、先発を調剤したとき「なぜ先発を調剤したのか」理由を残しておく必要があります。
なぜ理由を残しておくのか?
私は「元々後発率を上げたいんだからそれに反するだけの理由を書けよ」
ってことなんじゃあないか?と思うようにしています。
うちの薬局でよくある記載は「患者の意向」というやつです。
※追記
一般名処方の場合、先発と後発の薬を合わせて調剤することができます。
- [般]アムロジピン錠10mg 30日分 → ノルバスク錠10mg 10日分
- アムロジピンOD錠10mg「杏林」 20日分
上記のような変更が可能ということです。
こんなの普通ダメでしょう!っと私も考えたのですが、どうもルール上問題ないみたいです。
隣県の系列店舗が県薬剤師会に問い合わせたところ、
「問題ない。ただし、患者の希望というのが前提」
というような回答でした。
私の薬局でも一度県薬剤師会に問い合わせて問題ないようならしてみようかという話になりました。
後発品への変更での落とし穴
後発品によっては先発にはある適応が後発にはないということがありました。
クロピドグレルだったでしょうか?
学生時代に先生から教えられたことがありますが、
今ではだいぶ少なくなったんじゃあないかと思います。
また、さっき例に出していたビソプロロールやカルベジロールなんかは
規格によってある適応と無い適応がありますね。
後発品に変更する際に規格を変えたりするときは
その規格が投薬する患者の適応に合致しているか確認する必要があります。
多規格それぞれに適応が異なる薬なんかはここを確認するのが大変ですね。
最後に
初歩的なところから自分であやふやだと思う部分、ざっくりここが重要でしょう
という所をまとめてみました。
「その考えは違う」とか「こういう意識で考えると良い」
など色々意見があったらコメントしていただけると嬉しいです。