
薬剤師の仕事をしていると「錠剤が飲めない」と言われることは少なくないと思います。
少しの薬なら乳鉢乳棒を使ってすりつぶせばいいですが、量が多くなるとどんどん難しくなります。
今回は業務用のオススメ粉砕機と家庭で錠剤を粉砕する方法、
家で出来る簡単な薬の飲み方を紹介していきます。
粉砕機を導入しようと検討中の保険薬局さんは必見です!
Contents
2週間処方程度なら大阪ケミカル「ラボミル」
初めての粉砕機導入を考えている薬局さんは
大阪ケミカルさんの「ラボミル」をおすすめします。
今は「ラボミル2」というものがあるみたいですが、うちでは旧型の「ラボミル」を使用しています。
ラボミルの良いところは
- コンパクト
- 速い
- 手軽
というところです。
2週間程度の処方箋と言いましたが、1回に10剤、42日分とかの処方でも問題なく粉砕できます。
なので結構オールラウンダーだと思います。
薬の数が多くなると粉砕できなかった錠剤が残っていたりするので
もう一度機械にかけるか乳鉢ですりつぶすことになると思います。
粉砕希望の患者数自体は少ないが定期的に来てくれる人用には比較的安価なものでも十分ではないでしょうか?
薬局の中にはこういうコーヒーミルを導入しているところもありますよね。
高齢者施設の患者さん用にだと「ラボミル」
一部の外来患者さん用だと「コーヒーミル」という選択が一番良いと思います。
1ヶ月以上の処方には「ワンダーブレンダー」
2箇所以上の高齢者施設の薬の管理や1ヶ月以上の粉砕希望の処方箋が多い薬局さんには
大阪ケミカルさんの「ワンダーブレンダー」をおすすめします。
これはもう「最強」ですね。
これの良いところは
どんなに錠剤の数が多くても粉々にしてくれるところです。
いつも使っている「ラボミル」では
- 粉砕
- コーティング剤を取り除く
- 乳鉢ですりつぶす
- 分包
という手順をしています。
7〜8割ラボミルで粉砕して残りの2〜3割を乳鉢で潰すという感じですね。
「ワンダーブレンダー」はコーティングされているものも硬い錠剤もほとんど粉砕してくれます。
9割くらいは粉砕してくれます。
ふるいにかけてもほとんど残ったりはしません。
逆に「ワンダーブレンダー」のデメリットは
- 値段が高い
- 大きくて重い
- うるさい
ですね。
力強いですが結構場所を取って、総重量が3.6kgなので結構重たいです。
調剤室に空きスペースがあればいいですが、
粉砕の患者さんが来たときだけ持ってくる、という用途では
コストパフォーマンス的にはオーバースペックだと思います。
ペットの薬にはナビス「薬磨り潰し」
市販の薬やペットの薬をもらったが粉にして飲みたいと言うときは
ナビスさんの「薬磨り潰し」がおすすめです。
これの良いところは
- 安い
- 手軽
というところです。
たまに飲む風邪薬を潰したい
というだけだとユニパックに入れて硬いもので潰したりすることも出来ますが、
ペットが毎日飲む薬だとこういうのを使うと良いと思います。
私の実家ではペットの飲み薬を潰すのにこれを使っています。
6年使っていますがまだまだ現役なので良いと思います。
飲みにくい粉薬には「おくすり飲めたね」
小さい子にはそもそも粉薬しか出ないと思いますが、粉薬が嫌いな子は多いですよね。
昔はオブラートに包んで飲んでいましたが、今は「おくすり飲めたね」が一番ではないでしょうか。
名前は違いますが、同じ龍角散が出している服薬ゼリーです。
最近はどこの薬局にも売っていると思いますが、
子供からお年寄りまで幅広く使える良いものです。
CMでやっているようにゼリーに錠剤をそのまま混ぜて飲むことも出来ます。
「粉にするほどではないが、たくさんの錠剤を飲むのが辛い」
という人にもいい商品ですね。
風邪なんかは薬を飲まなくても治りますが、継続服用しないと悪化する病気もあります。
簡単に薬を飲む工夫を考えている人は龍角散の「おくすり飲めたね」をおすすめします。
まとめ
粉砕機は業務用だと高くなってしまいますが薬局で導入を考えている方は
大阪ケミカルさんの「ラボミル」はコンパクトで粉砕機能も十分なのでおすすめです。
ご家庭でちょっと潰したいという人には「薬磨り潰し」がコストパフォーマンス的にも⭕です。
粉だけでなく錠剤をツルッと飲みたいという人には「おくすり飲めたね」が手軽に手に入るのでおすすめです。
粉砕機に迷っている薬局さんや、薬が飲めなくて困っている人は
今回の記事が少しでも参考になれば良いと思います!