よく友人から「まだ島に通っているの?」とか「通勤大変じゃない?」なんてことを言われますが、島に通い始めてから2年半が過ぎても他の所で働きたいと思ったことはありません。
私は通勤に40分弱かけているのですが、車の運転が好きなことや車内で音楽をかけたりオーディオブックを聞いたりしているとあっという間に時間は過ぎてしまいます。
通勤時間は私にとってすごく大切な時間で、今日する仕事を頭で整理したり、今日の夕飯で何を作るか考えたり、とにかく頭の整理をするのにすごく良い時間だと思っています。
通勤時間の中で一番好きなのは橋を通るときです。
自宅から職場に行くまでに橋を2つ渡って行くのですが、行くときは職場がある島に渡る橋から見える景色がとてもよく、晴れて空気が済んでいるときなんかは心が洗われるようです。
初めて今の職場に行った時、綺麗な景色だなぁと思った感覚を2年半過ぎた後も持っているのは自分でもびっくりしています。[temp id=2]
あと人とのつながりや人の優しさを感じながら仕事が出来るのはとても楽しいことを初めて知りました。
私の薬局ではご自宅まで薬を配達する「居宅療養管理」ということをやっているのですが、その仕事の関係で月4回ほどフェリーでしか行けない島へ薬を配達します。
薬局で通常業務をするときは目の前に沢山患者さんがいて、その沢山の仕事を正確にこなすことに手一杯になり患者さんと話す時間が減ってしまいがちなんですが、自宅まで配達したときは落ち着いて患者さんのお話を聞けるのがすごく楽しいです。
患者さんの多くはその島周辺で育った方が多く、遠い土地から来た(患者さんからしたら)若い男に地元の特産や自分が若い頃にしていた仕事の話をしているときはすごく生き生きしていてとても良い顔をされます。
待合室で顔見知りじゃない患者さん同士が仲良く話し始めたり、シャキッとした85歳のおばあちゃんがボケボケした80歳のおばあちゃんに「あんたしっかりせな」と手を引いてバス乗り場に行く姿を見るととてもほっこりしますね。
こういう光景は田舎以外では見ない光景だと思うし、この人達により良く日々を過ごしてほしいと思いますね。[temp id=2]
たまにあるちょっぴり嬉しいことといえば、患者さんから色んな差し入れをもらうことです。
職場のある島周辺は柑橘類が特産で収穫の時期になると色んな患者さんからみかんやはっさくなどをいただくことがあります。
海に近いということで釣りをしてる方もいらして、「息子がタイを釣って余っているからあげるよ」と言われたり結婚祝いでチョコレートケーキをホールでもらったりと、とても親切にしてもらっています。
子供の教育や生活の利便性などを優先して島には住んでいませんが、のんびりした雰囲気や静かな海と船の行き来を眺める生活もとてもいいと思います。
最近はコロナ禍でテレワークが認められている所も多いと思います。1週間だけでも離島で暮らしながら仕事をしてみるのも面白いんじゃないでしょうか?